大西みつぐ写真集『川の流れる町で』【サイン入り】

販売価格 3,780円(税280円)
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【祝】「2017年日本写真協会賞作家賞」受賞!
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サイン入りございます(2017.4.12現在)

2017年3月開催の写真展に際し、写真評論家の飯沢耕太郎氏より推薦文を頂戴しました。

■『川の流れる町で』推薦文
剥き出しの川と街と人
飯沢耕太郎(写真評論家)


 岩淵水門から旧中川河口に抜ける荒川放水路の工事が始まったのは1913(大正2)年。17年間にわたる難工事がようやく完成したのは1930(昭和5)年だった。それ以来、東京の下町を南北に貫く全長22キロ、幅約500メートルの「川」は、その地域に住む人たちにとって、いわば原風景というべきものになった。
 江東区深川に生まれ、同砂町、江戸川区臨海町で暮らしてきた大西みつぐにとっても、荒川放水路(現荒川)は、気がつけば常にそこにある大きな存在だったのではないだろうか。今回ふげん社から写真集として刊行され、写真展も開催される「川の流れる町で」は、単純に川と町の眺めを写しとめたというだけでなく、彼自身の過ごした日々の記憶を背負いながら、この地域の現在と未来とを立ち上がらせようとする気迫のこもったシリーズとなった。
 シリーズの全体は「放水路」と「眠る町」の2部に分かれる。「放水路」では荒川そのもののたたずまいに直接カメラが向けられ、「眠る町」ではその対岸にある八広と四つ木という二つの町を行き来しつつ、路地の隅々にまで目を届かせた。下町の写真というと、人の匂いのする光景を情緒的に捉えることが多いが、大西のこの仕事ではそんな感傷はきっぱりと切り捨てられている。むしろ剥き出しにされた川と町と人の姿が、痛々しいほどの切迫感で写り込んでいるのだ。彼が写真集のあとがきに記しているように、そこには「東日本大震災後の東京臨海部の風景が無防備に晒されていること」に対する、強い危機感が投影されているのではないだろうか。
 大西の写真は、このところ批評的なドキュメンタリーとしての側面を強めつつある。もし20年後にこれらの写真を見直すとすれば、そこに2010年代半ばの「いま」の状況が、生々しく露呈していたことに気がつくだろう。


■大西みつぐ写真集「川の流れる町で」

価格:3500円+税
270×227mm|96頁フルカラー|並製本
解説:池谷修一
英訳:John Sypal
発行:ふげん社
初版第一刷 300部
2016年11月1日発売

大西みつぐ(第18回木村伊兵衛写真賞)の最新写真集。
これまでの作品を支え続けてきた「川の流れ」は2011年の東日本大震災以後、写真家のまなざしに変容をもたらした。荒川の日々をつづった「放水路」、ある地点での両岸の町を徘徊した「眠る町」の2章からなる。

「緻密極まりない描写とともにつきつけられる剥き出しの町。ここには明日を抱いた昭和の燃え殻があるわけではなく、そのままの東京がある。」(解説 池谷修一)

ラフ・グロス高級印刷紙「エアラス」使用、
印刷やデザイン性にもこだわりある一冊。

■大西みつぐ プロフィール
1952年 東京深川生まれ
1985年 「河口の町」で第22回太陽賞受賞
1993年 「遠い夏」ほかで第18回木村伊兵衛写真賞受賞
個展企画展多数
著書に「Wonderland」「遠い夏」「下町純情カメラ」「昭和下町カメラノート」など
日本写真家協会会員・日本写真協会会員
大阪芸術大学客員教授
ニッコールクラブ顧問

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